大好きな「ツバル」のヘルマー監督の長編第2作。
パイロットになりたいロシア人の不法入国者アレクセイは、空港内の収容所から脱走して空港の文字通り地下に潜って生活を始める。彼がスチュワーデスになりたいインド人の掃除婦ニーシャと出会ったのは、それぞれこっそり忍び込んだ飛行機の機内。あっという間の一目惚れ。
でも、ニーシャにはインドの姉のもとに一人残してきた息子が。暴力的な元夫がその息子を取り戻そうとしているらしい。途方に暮れるニーシャにアレクセイは自分がなんとかすると約束するのだが…
空港の“地下”には色々な人がいて、なかでも地下のボス、ミキ・マイノロビッチの嫌な奴ぶりには参ります。
なんて腹黒い役が似合うんでしょう!(「アンダーグラウンド」しかり)
地上の住人(航空会社の正規の従業員)ウド・キアーも、怪しげで……うん。
そして、不思議なお祈りで幸運を呼び込むトーゴ、ソティギ・クヤデのチャーミングさ。
「ツバル」では古びたプールの建物の中で物語が展開していきましたが
こちらは空港。
主人公が可愛い女の子に一目惚れして、一途というのも同じ。
「ツバル」を見た方にはネタばれになりますが
終わり方も似ています。
ニーシャ役の女優さん、「ツバル」のチュルバン・マハートヴァと人種は違えども同じタイプ。
目がくるくる動いて愛らしい♪こういうタイプが好きなのね。
ヘルマー監督らしい、かわいらしい映画。
でも、「ツバル」のあの衝撃は越えられなかったかなー。
あの不思議なモノトーンと、どの国のことばでもない言語、どこの国でもない場所…
あれもこれもおとぎ話なら、「ツバル」のほうがより“おとぎ話”に徹していたところがいいと思うんです。うん。