FILMeXの2本目。
廣木隆一+寺島しのぶ、といえば「ヴァイブレータ」
あんなに心をかき乱された映画もそうそう無い。
ちょっと前に寺島しのぶがテレビドラマに出ていました。
海の家かなんかを舞台にしたドラマで、ちらっと見たけど……
この女優さん、“お茶の間”に持ち込んじゃだめよ。
スクリーンじゃなきゃ。(舞台は見たこと無いので…それはおいときます)
あまりに、生身すぎて。
両親の保険金で暮らす無職のゆうこ。
曰く、両親は神戸の震災で亡くし、恋人は地下鉄サリン事件で亡くし、親友は9.11で亡くなったと。
両親の死後、躁鬱病を発病し今も入退院を繰り返している。
インターネットで知り合った痴漢願望の男に連れられて訪れた街、蒲田が気に入って移り住む。
そんなゆうこのまえに現れる、大学時代の友人でEDの区議会議員、鬱病のやくざ、吸収から家出してきたいとこ…といった男たち。
鬱の症状が出て苦しむゆうこを、そのまま受け止めるいとこのしょうちゃん(豊川悦司)。
この二人があまりに切ない。
久々に「トヨエツ、いいじゃーん」と思ったぞ。
ぴりぴりした状況を越えたときに、二人の魂の距離がずっと近づいて
単に子供の頃からよく知ってるいとこじゃなくなり、誰よりも互いを感じあえる関係になる…。
ラスト、切ない。
トニ・コレット同様、寺島しのぶも天使のようにきれいに見えるときと不細工ーに見えるときとがあって、こういう人を演技派というのだなぁとしみじみ思いました。
普通はきれいな人はきれいなだけ、そうじゃないひとはそうじゃないだけだもの。